【寒暖差に注意】かぜの意外なお話
こんにちは、稲垣大輔です。
最近、昼夜の温度差が大きいですよね。
例にもれず、私もかぜをひいてしまいました。
「えっ、薬剤師なのに…?」と思ってしまうのは野暮ってもんですよ(笑)
体調管理をしていてもひいてしまうときはひいてしまうもの。
というわけで、今日はかぜについての雑学や治し方を書いてみようかなと思います。
かぜを治す薬は存在しない
これだけ見ると衝撃的ですよね。
そもそも、かぜの原因の8割はウイルスによるもの。
細菌による感染や、冷気・乾燥・アレルギーなどの非感染性のかぜは、たったの2割。
そして、原因となるウイルスの種類は200種類以上もあるんです。
200種類以上のウイルスに共通して有効な物質なんて想像つかないですよね。
実際、ウイルスによって活動環境が全然違うため、これらに適した物質はありません。
なので、一般的に「かぜ薬」とは、かぜそのものではなく、かぜの諸症状(くしゃみ、鼻汁、咳、痰など)の緩和を目的として使用される医薬品のことをいいます。
ちなみに、かぜを手っ取り早く治すには、自己免疫力を駆使するのが最適。
むしろ、かぜ薬を使うと治りが遅くなるので、安静にして栄養と水分をしっかり摂るほうが圧倒的に治りが早いです。
かぜの症状に抗生物質は効かない
「病院でいつももらってるのに?」と思う方も多いかもしれません。
抗生物質は「細菌」に対して効果のある物質であり、ウイルスに対しては効果がありません。
なので、かぜに対して抗生物質は基本的に意味がないんです。
ただ、医者としては、「かぜによって二次的に感染症が出てしまったときの保険」として抗生物質を処方している人もいるので、一概にダメとは言えないのが現実だったりします(それが原因で訴えられても困るので)
医者のなかには、「今までそうしてたから」と慣例的に処方する人や、「そのほうが儲かるから」と考えている人もいるもんだからタチが悪いんですけどね(笑)
「胃腸かぜ」はかぜではない
かぜは、「上気道の急性炎症」の総称で、胃腸の症状は関係ありません。
なので、熱が出たりすると同時にお腹が痛くなった場合、ウイルスが消化器に感染したことによる「ウイルス性胃腸炎」である場合が多いのです。
ただ、症状がかぜと似ているため、「胃腸かぜ」や「お腹にくるかぜ」と呼ばれたりします。
いかがでしたでしょうか?
「大事な会議のために、今すぐかぜの症状をおさえたい!!」などというとき以外は、かぜ薬には頼らないほうが絶対的にいいです。
十分な睡眠と栄養・水分を摂ることを心がけましょう。
ではまた明日。